本研究は日印看護師間における看護や教育・臨床環境に関する状況的認知の比較を明らかにすることで①日印看護師の相互文化理解を深め②日印の看護師が求める臨床教育支援プログラムの開発と協調的臨床環境の構築に発展させ③今後の日本人看護師派遣の促進に繋げることを目的としている。 5年間の研究期間において、過去3年間はCovid-19パンデミックの影響によりインドへの入国禁止や国内外の対象者とオンラインを含む交流が困難となる状況であった。その期間は文献検討を行い研究の準備期間とした。 最終年度である2022年度後半になりインドへの入国規制が緩和され、2023年に入りインド(バンガロール)の研究対象医療機関からの受け入れ許可も下り、同年3月末までに研究を遂行することができた。研究対象者として3名の日本人看護師と、27名のインド人看護師から日印看護師間における看護や教育・臨床環境に関しインタビューを実施した。当時、日本人看護師1名は研究対象医療機関に就業していた。そこで、日本で聞き取りを実施した日本人看護師2名に渡印へ同行していただき、インド人看護師へのグループインタビュー後に、日印の看護師参加のもと、日印看護師の求める臨床教育支援プログラム開発と協調的臨床環境の構築について討議することができた。 したがって、本研究の目的①と②を達成することができた。今後は、本研究で得た結果をまとめ国際学会発表と投稿へ繋げる予定である。また、本結果を基に今後開発する臨床教育支援プログラムの実践と評価を次の研究に繋げることで本研究の目的③の達成に貢献すると考える。
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