研究課題/領域番号 |
18K17431
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
菅原 啓太 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (60733615)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 手浴 / 食事ケア / 看護技術 / エビデンス |
研究実績の概要 |
食事摂取量が低下している後期高齢患者に対して、朝食前の手浴ケアを実施し、食事摂取量の増加をもたらすのか否かを検討した。現在、5事例のデータ収集が終了した。 その結果、朝食前の手浴ケアを5日間繰り返し実施すると、5事例中4事例で自ら浸漬するようになり、5事例中4事例で手洗い動作得点が増加傾向を示した。患者からは「気持ちよい」との発言が聞かれており、手浴ケアが気持ちよさをもたらすケアであるからこそ、手浴時の動作が変化したのではないかと考えられた。また、自ら浸漬するようになった4事例のうち、2事例は食事を食べ始める動作得点が高まっており、自ら食べ始めるようになっていた。さらに、うち1事例は食事動作得点も増加傾向を示した。このことから、手浴ケアを繰り返し実施することで、食事に対する意欲が向上する可能性が示唆された。食事摂取量については、5事例中2事例で食事摂取量が増加傾向を示した。そのうち1事例は、食事動作得点が増加傾向を示した患者であった。介入当初は、食事に対して意欲的ではなく、食事動作もぎこちなかった患者であったが、手浴ケアを繰り返すことで、食事に対する意欲が高まり、食事動作が拡大し、食事動作がスムーズになることで、食事摂取量の増加につながった可能性が考えられた。以上より、朝食前の手浴ケアは、気持ちよさをもたらすことで、食事に対する意欲の向上をもたらし、その結果、食事摂取量の増加につなげられる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を実施する病院の確保ができたため、患者を対象とした調査を開始し、5事例のデータ収集が終了した。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、病院へ入ることが困難となり、調査を中断せざるを得ない状況となり、遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
5事例ではあるが、対象者に朝食前の手浴ケアを実施し、データを収集することができた。当初予定していた対象者数の調査が終了していないため、引き続き、病院との調整を行い、調査を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
病院での調査を開始していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、調査の継続が困難となり、調査を中断した。そのため、データ収集を行うために確保していた人件費を使用しなかったため、残額が発生した。残額は次年度の経費とし、研究を遂行していく。
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