食前に実施する短時間の手浴が、亢進した交感神経活動を減弱させる食前のケアとして活用できる可能性が示唆された。日常の習慣では当たり前に行われている「手を洗う」という行為に着目し、食事摂取を促すケアとして、看護場面に取り入れられるといった点で学術的に意義があると考える。手浴は、準備や手技が簡便であり、対象者への負担が少ないため、対象者と援助者双方にとって、取り入れられやすい援助であるといえる。また、臨床現場だけではなく、「高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進(フレイル対策)」の一環として、在宅場面でも活用できるケアへと発展させることができると考える。
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