研究課題/領域番号 |
18K17434
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
松田 優二 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (50635448)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 災害対策 / トリアージ / 精神科 / 精神科入院患者 / 精神科病院 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、災害時の精神科入院患者に対する精神症状のトリアージ(医療の優先順位をつける選別方法)の現状と、今後、災害時に看護師が精神科入院患者に対する精神症状のトリアージ(以下、精神症状トリアージ)として優先すべきと考える項目について、精神科病院の看護管理者への調査から明らかにする。 阪神淡路大震災以降に大災害があった地域を中心に日本精神科病院協会に登録されている精神科病院262施設の看護管理職者を対象に、自由記述式の質問紙調査(郵送法)を行った。調査期間は2023年2月~3月。調査内容は、設置主体、病床数、看護職員数、被災経験の有無、被災の内容、現在取り組んでいる精神症状のトリアージ対応(マニュアル等)の現状、今後、精神症状トリアージとして優先すべきと考える項目とその理由について調査した。 結果として、回収率は20.2%(53施設)で有効回答率は100%であった。被災経験がある施設は27施設(50.9%)で主に地震災害(21施設)が多かった。被災経験の有無に問わず、現在災害時に精神症状のトリアージ対応を実施している施設はなかった。精神症状トリアージとして優先すべきと考える上位項目は、被災経験ありの施設で自傷他害(16件)、興奮(15件)、暴力(12件)、無断離院(11件)、幻覚妄想(9件)、被災経験なしの施設では自傷他害(15件)、興奮(14件)、暴力(13件)、幻覚妄想(11件)無断離院(9件)であった。それぞれの項目の理由として、自傷他害は【被災による精神症状悪化の影響】【被災による興奮状態の影響】、興奮は【被災により精神症状が不安定になる影響】、暴力は【被災による焦燥感・興奮の影響】、無断離院は【精神疾患による危機判断不足】【精神疾患による避難の非協力的態度】【入院形態に合わせた患者状況把握の必要性】、幻覚妄想は【被災による症状悪化・暴力の防止】であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響により、調査対象者とのインタビュー調整が難航し予定対象者数の確保が困難な状況が続いていたため、代替案の質問紙調査へ切り替え調査を行った。調査結果の集計、分析をまとめ、その成果について学会発表・論文投稿の準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果から、精神科入院患者に対する精神症状のトリアージの現状と、今後災害時に看護師が精神科入院患者に対する精神症状のトリアージとして優先すべきと考える項目について検討を行い、その成果について災害関連、精神保健看護関連の学会にて発表を行うことや論文投稿を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究で予定していたインタビュー調査の調整が難航したことなどから調査、分析実施ができず、調査に係る予算の使用の段取りが遅れた。また、COVID-19の影響によるオンライン学会、大学業務のため予定していた学会・研修会などの参加ができず、旅費経費は使用できなかった。 (使用計画) 繰越金については、データ分析・管理のためのPC関連備品費や分析作業に係る経費、アルバイト依頼料、学会参加・発表、論文化に向けた参加費、旅費、プレゼンテーション関連備品費などに使用予定である。
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