研究課題/領域番号 |
18K17439
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
加藤木 真史 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70521433)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 離床 / 内科的治療 / 生活行動 / 看護 / 加速度計 / 地域包括ケア病棟 |
研究実績の概要 |
本研究課題申請時の目的は、手術を受ける患者を対象に筆者が取り組んできた離床研究を基盤に、内科的治療を受ける入院患者を対象とした生活行動に基づく新たな離床看護プログラムを開発し、その実効性を検証することであった。2018年度~2019年度にかけて、本研究課題で対象とする地域包括ケア病棟入院患者への離床看護を検討した結果、入院患者の活動の実態が明らかにされていないことが大きな課題となった。 そこで2020年度より、地域包括ケア病棟入院患者の療養生活における身体活動の実態を把握し、離床に向けた支援を検討する基礎資料とすることを目的とした研究「地域包括ケア病棟における入院患者の身体活動の実態:活動日誌と加速度計を用いた調査」を実施した。研究対象者は、地域包括ケア病棟に入院中の歩いて移動ができる患者とし、データ収集方法は、対象者への加速度計activPAL(PAL Technologies Ltd, Glasgow, UK)の装着、活動日誌への記録、入院生活に関する聞き取り等である。 2022年2月までに目標となる30名からのデータ収集を完了し、2022年度は患者背景や身体状況による身体活動の特徴などについて分析を進めた。その結果、①休日は平日に比べて歩数、立位時間、歩行時間が有意に少なく、臥位時間が長いこと、②バーセルインデックス85点未満の群(n=16)は、85点以上の群(n=14)と比べて休日の臥位時間が有意に長く、座位時間と歩行時間が短いことなどが明らかとなった。この結果の一部を、2022年11月に開催された日本看護技術学会第20回学術集会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究「地域包括ケア病棟における入院患者の身体活動の実態:活動日誌と加速度計を用いた調査」のデータ収集開始後、大腿部に装着した加速度計activPAL(PAL Technologies Ltd, Glasgow, UK)による「臥位」と「座位」の判別精度が低いことが課題となった。そこで、胸部と大腿部にactivPALを1台ずつ装着し、胸部と大腿部のデバイスの位置関係から「臥位」「座位」「立位」を判別する方法を採用する方法(Bassettら, 2014)に研究計画を変更する必要性が生じた。また、COVID-19のパンデミックに伴い、教育活動に費やす時間の増加、医療機関でのデータ収集などにおける研究活動の制約があり、データ収集が予定より大幅に延長した。 以上の理由より、「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の公表に向けて、論文投稿の準備を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響から、研究の進捗が遅れ離床看護プログラムの開発に至らなかったこと、国外で開催される国際学会参加のための旅費等がかからなかったこと等から次年度使用額が生じた。研究成果を公表するための学会参加費、英文校閲費・論文投稿料として使用する予定である。
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