研究課題/領域番号 |
18K17440
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岩本 敏志 東海大学, 医学部, 助教 (20803331)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 反復他動的ストレッチング / 健常成人男性 / 近赤外分光法 / 対側上下肢 / 非活動筋 / 腓腹筋 / 長掌筋 |
研究実績の概要 |
本研究は、一側の足関節に局所的な他動的運動負荷を加えた際、運動に直接関与しない四肢の筋血液量の変化と筋内の血液循環調節にどのような影響が及ぶかを調査する研究である。日常的に看護師が患者へ行う四肢の関節運動が、運動に直接関与しない不活動筋の微小循環や全身の循環への影響を明らかにすることで、看護師が患者に提供する行為の安全を保障するエビデンスの基礎的データとなり得る。また、重症疾患治療後の四肢筋力低下(ICU-acquired weakness:ICUAW)や高齢に伴うサルコペニアに関する予防の評価の一助になると考えている。 我々は、一側の腓腹筋の反復他動的ストレッチング(ST)において、対側腓腹筋にSTと同期する血液量の変化がみられることを報告してきた。本年度は、健常成人男性15名(25.1±4.5歳)に対して一側の腓腹筋の反復他動的STを行い、対側上下肢の非活動筋の酸素化状態を近赤外分光法(Near Infrared Spectroscopy:NIRS)で測定し血液量の変化を検討した。 健常成人男性の対側腓腹筋では、①他動的STに同期した血液量の変化が認められた。上肢の長掌筋では、②腓腹筋と同様の他動的STに同期した血液量の変化や③同期しない血液量の増減など、被験者によって差異が認められた。上肢にも②のような血液量の変化が認められたことは、①・②の血液量の変化に脳が関与していることが推察された。③の変化は、①・②とは異なる機序によるものと推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は予定に沿って対側上下肢の非活動筋の血液量調査①を実施した。調査で得られたデータから健常成人男性15名の測定結果を分析し学会発表できたことは、予定以上に研究を進められたものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、両側上肢の非活動筋の血液量調査②を実施する予定である。その際、今年度に実施した対側上下肢の非活動筋の血液量調査①で取得したデータの解析を加え、健常成人男性の一側の反復他動的ST時の四肢の酸素化状態の動態を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の使用頻度等により消耗品費の一部の使用を見合わせた。次年度は、測定時に被験者へプローブ装着の為に使用する消耗品の両面粘着シート(PSheet-4M)等を充足する予定である。
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