研究実績の概要 |
【調査の概要】長時間労働に関係する、組織的学習についての概念枠組みを作成し、該当する英語の尺度を検討した。4つの尺度から34項目を抽出し、この翻訳を行った。 【結果】医療施設の長時間労働を組織的に改善し、従業員がよりモチベーション高く働き続けるためには、組織的学習が浸透していることが必要である。文献検索を行った結果、日本においては、医療施設における組織的学習を検討するための適切な尺度は存在しなかった。このため、英文データベースを使用して組織的学習に関する検索を行った。この結果、組織的学習を検証するLearningOrganizationScale27(LOS27)が適切と考えられた。また、この効果を検証するために、Employee Creativity, Standardiation, Quality of Care/Safetyの尺度も合わせて使用することとした。 Sousa, V. D., & Rojjanasrirat, W. (2011)を参考にしながら、これら4つの尺度(34項目)を以下のプロセスを踏みながら翻訳した。STEP1:英語から日本語への翻訳版を英語を母国語とする別々の翻訳者2人によって作成(TL1とTL2)した。STEP2:TL1とTL2の比較を日本語を母国語とする医療及び尺度翻訳に知識を持つ者2名によって行い、1つの翻訳版に統合した。STEP3:統合翻訳尺度から、英語を母国語とする者2名によって逆翻訳尺度を作成した(BT1とBT2)。STEP4:日本語を母国語とし、医療知識を持つ者4名によってBT1とBT2を検討し、以前に作成していた翻訳版を修正した。STEP5:最終翻訳版の分かりやすさを問うアンケートを作成し、医療従事者10名に対してパイロット調査を行った。
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