研究課題/領域番号 |
18K17447
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
西之坊 穂 摂南大学, 経営学部, 准教授 (80780163)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フォロワーシップ / 看護師 / 生起要因 / リーダーシップ |
研究実績の概要 |
本研究は、病院で働く看護師のフォロワーシップとその生起要因を明らかにすることを目的としている。 現在、病院看護の現場は、患者の多種多様なニーズの変化やIT技術の進展、社会的要請の変化などにより、非常に複雑な様相を示している。このような複雑化する看護の現場では、看護師は指示の遵守を求められるだけでなく、自ら考えて主体的に行動することが求められるようになっている。これまでの研究では看護師のリーダーシップに関する研究は一定数見られるが、看護師のフォロワーシップについてはほとんど見あたらないから本研究に取り組むことにした。また、看護師の組織上の上司にあたる看護師長のみならず、医者へのフォロワーシップについても研究対象にしている点が、本研究の独自性である。 以上を踏まえて、平成30年度に取り組んだ研究は以下の2点である。 (1)フォロワーシップの先行研究をレビューし、概念整理を行った。フォロワーシップの定義には、影響力パラダイムによるものと、リーダーシッププロセスにおけるフォロワー行動の2つに大きく分けられることが分かった。 (2)2つの病院でインタビュー調査を実施した。A病院では、20代・30代・40代の看護師3名および医師と看護師長の合計5名に実施した。B病院では、20代・30代の看護師2名および医師と看護師長の合計4名に実施した。 今後はインタビュー調査で得られた録音データの分析を実施する予定であるが、現在、C病院にもインタビュー調査の協力を依頼している。協力が得られた場合は、C病院のデータを加えた研究を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の進捗状況は次の通りである。 (1)フォロワーシップの先行研究レビューを通じて、フォロワーシップとは何なのかを概念的整理を行い、リーダーシップとの関係性について検討を深める。 (2)インタビュー調査を行った録音データをテープ起こしで文章化する。次に文章化したデータをM-GTAに則って行動要素単位に落とし込む作業を行う。 (3)、前項のデータに基づいた質問票を作成し、完成した質問票の文言に齟齬や違和感がないか等を確認するため、看護師に対してパイロット調査を実施する。 (4)完成した質問票を用いて、インターネットを通じたアンケート調査を実施する。対象人数は、質問数に応じて50~100人で考えている。 (5)本研究の成果を国内の学会で発表する。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、インタビュー調査で取得した録音データを文章化し、文章化したデータをM-GTAで概念化することで、看護師のフォロワーシップの生起要因、すなわち、先行変数を見出すことを実施する。そして、その先行変数と看護師のフォロワーシップの仮設モデルを構築する。また、引き続き文献レビューを行い、ここまでの研究成果を国内の学会で発表することを目指す。さらに、インターネットを通じたアンケート調査の実施に向けた作業を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
8,631円の繰り越しとなったが、ほぼ計画通りであった。
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