研究課題/領域番号 |
18K17452
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
友滝 愛 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 助教 (50621835)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 科学的根拠に基づく実践 / 情報リテラシー / 研究成果の利活用 / 生涯学習 / 臨床看護師 / e-learning / プログラム評価 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本研究は「臨床看護師を対象とした科学的根拠に基づく実践のための教育プログラムの評価」(以下、プログラム)を行う研究であり、4年目は、教育プログラムで使用するEvidece-based Practice(以下、EBP)の教育介入研究を実施するために、研究で使用するEBP関連尺度の開発、介入研究の研究計画書の見直しを行った。 (1)EBP関連尺度「EBP Implementation Scale」「EBP competencies self-assessment(臨床看護師用・高度実践看護師用の2種類)」の日本語訳について内容妥当性を評価するために、臨床看護師10人に認知インタビューを実施した。対象者は病院・訪問看護ステーションなど多岐にわたり、高度実践看護師用の評価では専門看護師、認定看護師、博士課程修了者、特定行為研修修了者、診療看護師など多様な背景をもつ看護師の協力を得ることができた。 (2)オンライン形式で行うための教育教材の開発に着手し、教材スライド、事前学習の課題等を作成している。教材の一部(「文献検索の基本」「量的研究の読み方の基本」)は、臨床看護師を対象とした研修事業に提供した。(提供方法:同時双方向配信、オンデマンド配信) (3)研究デザインについては、COVID-19の流行状況を鑑み、教育教材を提供する単群のみの前後比較研究の介入研究とし、そのための研究計画を再構成した。さらに、教育教材をオンライン形式で提供するという利点を活かし、e-learningシステムで自動的に取得できる学習ログデータを用いて学習量を定量化し、学習量とアウトカムの関連を検討するための方法論を検討した。 (4)本研究の初期段階で実施した文献レビューを論文投稿し、現在査読中である。その他、商業誌にEBPに関する記事が掲載された。EBPに関する情報を集約したウェブサイトの運営を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本科研申請時に計画した教育プログラムは、看護師を対象として対面で行う教育プログラムであったが、COVID-19の影響により、教育プログラムの構成、および、実施方法を見直す必要が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は4年計画で今年度が最終年度であったが、研究の遅れにより延長を行った。次年度は、教育プログラムで使用するEBP関連尺度を完成させ、評価の一環で介入研究を実施する。具体的には以下を計画している。 (1)EBP関連尺度「EBP Implementation Scale」「EBP competencies self-assessment(臨床看護師用・高度実践看護師用の2種類)」の日本語訳を確定する。 (2)オンライン形式での教育プログラムの実施とその評価を行う介入研究について、オンライン用の教材の確定、研究倫理審査の申請を行い、研究を開始する。対象者の募集については、機縁法により病院や訪問看護ステーションへ依頼するとともに、インターネットにて一般公募を行うことを計画している。 (3)引き続き、本研究の初期に行ってきた文献レビュー等の投稿に加え、(2)の介入研究のプロトコルペーパーの論文投稿準備を行う。 (4)本研究の過程で収集したEBPに関する情報については、EBPの研究や教育等に関心がある人が効率的に収集できるよう、引き続きウェブサイトに掲載する。さらに、(2)で作成した教育教材については、誰でも利用が可能となるよう、ウェブサイトでの一般公開の準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は4年計画であったが、研究期間の延長申請により、次年度に繰り越しとなった。
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備考 |
連載は、医学書院・週刊医学界新聞(看護号)にて2021年4月~2022年3月に掲載されたものである(全12回)
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