研究課題/領域番号 |
18K17454
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
久保 仁美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (70813187)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | NICU / 退院支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、NICU看護師に対する退院支援プログラムを開発することである。このプログラム開発のため、在宅療養児をもつ母親および、訪問看護ステーション看護師を対象としたNICUにおける退院支援に対するニーズついてインタビュー調査を行い質的帰納的に分析することを予定している。 我が国は地域包括ケアシステムの構築に向け、地域移行を推進する社会的背景がある。これに伴って、近年、病院から地域への移行支援として退院支援の充実が喫緊の課題である。このため、本研究においては、2018年度に近年5年間のNICU看護師が実際に行っている退院支援内容の現状や研究動向を把握するために文献検討を行った。文献検討を行った結果は、「NICU入院児と家族に対する看護師の退院支援内容に関する文献検討-2014年から2018年の国内文献に焦点をあてて-」の演題で2019年8月に第29回小児看護学会学術集会にて示説発表を行う予定である。文献検討では、近年5年間の看護師の退院支援内容として、【家族への直接的な指導と提案】、【地域移行に向けた多職種の調整と協働】、【家族中心のケアの理念に基づく態度や実践】をおこなっていることが明らかになった。この結果より、今後の課題として、支援の受け手である児と家族のニーズに合致した退院支援内容の検討や、地域の受け皿である訪問看護師のニーズを踏まえた退院支援内容を明らかにすることが必要であることが示唆されたため、次年度以降にNICUから退院した児をもつ母親や訪問看護師へのインタビュー調査を開始することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定では、2018年度より対象者(在宅療養児をもつ母親および訪問看護師)へのインタビュー調査を開始する予定であったが、社会的動向や近年の退院支援の現状を鑑み、まずは近年5年間のNICUにおける退院支援内容について把握するため文献検討を行った。インタビューを行ううえで研究者が退院支援の近年の現状を把握している必要がある。 この文献検討は、近年5年間のNICUの退院支援に関する論文から、退院支援に内容を抽出し質的帰納的に分析を行った。 分析結果より、NICUにおける近年の退院支援内容が明らかとなった。この結果はインタビューガイドにも反映される。
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今後の研究の推進方策 |
近年5年間のNICUにおける退院支援内容の結果は、学会発表ののち論文投稿を予定している。さらに文献検討の結果を考慮し次年度以降のインタビュー内容の精査を進めるとともに、実際のインタビュー対象者のリクルートおよびインタビュー調査を実施する。 インタビュー内容は、当初予定どおり質的帰納的に分析を行うとともに、2020年度には分析結果から得られた対象者の退院支援に対するニーズを反映させた退院支援のプログラム化に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の進捗が遅れ、対象者のインタビュー内容の分析に至っていない。このため、分析に必要として計上したPCを今年度購入をしていないため使用差額が生じた。 次年度以降、インタビューの分析に必要となるため備品として購入予定である。
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