研究課題
若手研究
褥瘡の創閉鎖部の再発を防ぐために瘢痕の成熟度を経時的に観察する必要がある。創閉鎖部の成熟過程を組織学的に明らかにするため、瘢痕ラットモデルを作製し、リモデリング過程を評価可能なバイオマーカーを探索した。モデルは、1辺1.0cm四角形の皮膚全層欠損創をラット腹部に作製し、創収縮が最小限となるよう創周囲に板状皮膚保護材を貼付した。褥瘡の創閉鎖部におけるバイオマーカー検出量の推移は今後の継続課題である。
基礎看護学
げっ歯類は皮膚がルーズで創収縮が著しく、瘢痕が残りにくいとの特徴があるため、瘢痕モデルを作製することは難しい。しかし、実験手技の操作性や飼育費用等を考慮すると、ブタよりもげっ歯類でのモデル作製が望ましい。瘢痕モデルとして適切なモデルが存在していないことが、創閉鎖後のリモデリングや瘢痕の成熟に関する組織学的検証が進まない原因のひとつであると考え、本研究の瘢痕モデルがリモデリングや瘢痕の成熟における新たな知見の発見に繋がると考える。