研究課題/領域番号 |
18K17461
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
東恩納 美樹 琉球大学, 医学部, 助教 (50589819)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 医療安全 / 看護提供方式 / 患者アウトカム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、下記の2つである。 ① 全国の特定機能病院における看護提供方式の実態を明らかにする。 ② 診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度(DPC/PDPS)により収集された大規模データを活用し、看護提供方式(パートナーシップ・ナーシング・システム:PNS、PNS以外の提供方式)と患者アウトカムの関連を明らかにする。 2018年度は、文献レビューを行い、全国の特定機能病院における看護提供方式と患者アウトカムに関する研究のプロトコールを作成した。 2019年度は、単施設において看護提供方式(PNS、固定チームナーシング)と患者アウトカムの関連を検証した研究の統計解析および結果の考察を見直し、国際学術誌に受理された。この研究では、看護提供方式と入院30日以内死亡に統計的に有意な関連はなかったが、PNSを採用していた期間の入院患者は、固定チームナーシングを採用していた期間の入院患者と比べて機能低下(入院中死亡または日常生活動作レベルの低下)のオッズが統計的に有意に高く、看護提供方式と入院中の患者の機能低下の関連が示唆された。この研究の査読過程での研究デザイン、対象患者の選定・除外基準、交絡・調整因子などの指摘を基に、2018年度に作成した全国の特定機能病院を対象とするプロトコールを修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全国規模の研究の基となる単施設での研究の追加解析および結果の考察の見直しに時間を要した。また、対象患者の包含・除外基準や交絡・調整因子について、再度文献検討を行い、2018年に作成した研究プロトコールの修正が必要であったため、研究の遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の対象である全国の特定機能病院の新型コロナウイルス感染症による影響が収束するタイミングを待って、研究協力の依頼を行う。緊急事態宣言が出されるなど医療機関に研究協力依頼を行うことが倫理的に望ましくない状況が継続する場合には、繰越申請を行い補助事業の期間の延長を希望する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅延しているために次年度使用額が生じた。2020年度には、情報漏えい防止のためのパーテーション設備の整備、郵送による看護提供方式に関する調査、DPC/PDPSデータ取得のための費用に使用する計画である。
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