研究課題/領域番号 |
18K17461
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
東恩納 美樹 琉球大学, 医学部, 助教 (50589819)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 医療安全 / 看護提供方式 / 患者アウトカム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、下記の2つである。 ① 全国の特定機能病院における看護提供方式の実態を明らかにする。 ② 診断群分類に基づく1日あたり包括払い制度(DPC/PDPS)により収集された大規模データを活用し、看護提供方式(パートナーシップ・ナーシング・システム:PNS、PNS以外の看護提供方式)と患者アウトカムの関連を明らかにする。 2021年度は、237病院(大学病院本院82施設、DPC特定病院155施設)の病院長へ研究協力依頼文書および看護提供方式や看護師背景、病院情報等に関する質問紙調査票を郵送した。質問紙調査には、32病院より協力が得られた(回答率13.5%)。約半数の病院で複数の看護提供方式が使用されており、患者を二人の看護師で担当する看護提供方式を使用していた病院は、2018年は15病院(46.9%)、2021年は20病院(62.5%)であった。看護提供方式の変更は、看護師が一人で患者を担当する看護方式から看護師が二人で担当する方式への変更は5病院で、看護師が二人で患者を担当する看護方式から看護師が一人で担当する方式へ変更した病院はなかった。看護提供方式を変更した5病院のうち4病院は、パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)に変更していた。 看護提供方式と患者の健康アウトカムの関連を検証するための2018年度退院患者のDPC情報の第三者提供について承諾が得られた病院のうち、研究対象期間である2018年度に看護提供方式の変更がなく、一般入院病棟すべてで同一の看護提供方式を使用していた病院数(推定退院患者数)は目標数に達しなかった。発生頻度の低い入院中の外傷性頭部損傷や骨折について、患者要因や看護師要因、施設要因の統計的な調整を十分に行うため、看護提供方式およびDPC患者データを収集する期間を拡大するため、計画変更について研究倫理審査委員会に申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究者は大学教員であり、新型コロナウイルス感染症の拡大による看護の臨床実習中止に対応するため(対面および遠隔実習プログラムの作成、実施、評価)、教育業務の負担が大きく、研究に費やす時間を大幅に縮小せざるを得ない状況にあった。また、本研究への協力を依頼する病院は、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい施設であり、研究対象病院の状況に配慮し、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が解除された時期に研究協力依頼や質問紙調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
発生頻度の低い入院中の外傷性頭部損傷や骨折について、患者要因や看護師要因、施設要因を統計的に調整するため、看護提供方式およびDPC患者データを収集する期間を拡大する必要がある。そのため、研究計画の一部を変更し、研究倫理審査委員会に申請した。倫理審査委員会の承認が得られた後に、2018年度DPC情報の第三者提供についてご承諾いただいた病院へ、拡大した研究対象期間の看護提供方式について追加の質問紙調査およびDPC情報の提供についてご協力をお願いする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅延しているために次年度使用額が生じた。2022年度に実施する予定の追加の看護提供方式に関する調査、病院長の承諾を得て診断群分類研究支援機構より第三者提供していただくDPCデータ利用料に使用する計画である。
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