研究課題/領域番号 |
18K17464
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
古澤 幸江 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師(移行) (80813493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 情動知能 / リーダーシップ / 看護管理者育成 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究は情動知能的なリーダーシップ行動を高めるために、研究代表者(古澤,2017)が作成した「リーダーシップ自己評価チェックリスト」(以下チェックリスト)を活用し、新たな看護管理者育成プログラムを開発することを目的とし取り組みを始めた。平成30年度に、研究協力施設、研究代表者の所属施設の倫理審査を受審し、承認を得て開始した。5月に研究協力者を対象とした第1回看護管理者研修を開催し、リーダーシップ行動や情動知能の講義、チェックリストの自己評価の方法について、口頭と資料を活用し説明した。研究協力者全員が参加した。その上で研究協力者に対して、チェックリストの自己評価とインタビュー調査を3か月毎に実施した。研究協力者は、インタビュー時にチェックリストを自己評価し持参し、研究代表者が回収した。 (1) チェックリストの自己評価:5月・8月・11月・2月の計4回実施し、データ入力作業を終えた。(2)インタビュー調査:5月・8月・11月・2月の計4回実施した。研究協力者1名に対し、個室で1回(20~45分程度)の半構造化面接を実施した。Spencer & Spencer(1993)の行動結果面接を参考にインタビューガイドを作成し、①「成功した出来事」②「失敗した出来事」③「看護管理者の行動として、日々の実践の中で意識していること」ついて、前回インタビュー調査実施後からの出来事の中で語って頂いた。インタビュー終盤では、前回インタビューからの3ヶ月を振り返り自身の変化を語る者、次の3か月後の自身の姿をイメージして語る者もあった。面接内容は、研究協力者の同意を得たうえでICレコーダーに録音し、面接終了後に逐語録を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、5月に研究協力者18名に対して以下の内容で研究を開始した。7月に1名より研究協力の辞退の申し出があり、以後は17名を対象とし実施している。 (1) チェックリストの自己評価:5月・8月・11月・2月の計4回実施し、データ入力作業を終えた。令和元年度は、これらのデータを研究協力者個々のチェックリストのリーダーシップ行動項目(1~38項目)の得点の変化を量的に分析する。情動知能的リーダーシップ行動項目の得点の変化、下位尺度「スタッフ支援・育成」「情動コントロール」「患者配慮」毎の得点の変化、情動知能的リーダーシップ行動項目と管理的リーダーシップ行動項目の得点の変化との関連を分析予定である。統計解析は、統計ソフトSPSSとAMOSの統計パッケージを活用して行う。 (2) インタビュー調査:5月・8月・11月・2月の計4回実施した。研究協力者1名に対し、個室で1回(20~45分程度)の半構造化面接を実施した。4回分の面接時のデータの逐語録を作成した。令和元年度は、これらのデータを17名の研究協力者の個々における情動知能的なリーダーシップ行動項目に対する意識の高まりや行動を質的に分析する。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、8月下旬に研究協力者と検討会を1回実施する。検討会は、研究協力者17名が参加し、平成30年度に実施したチェックリストの自己評価やインタビュー調査の分析結果の提示・説明を実施する。検討会におけるグループワークや全体報告時の発言内容から、リーダーシップ行動項目(1~38項目)への意識の高まり・行動の変化、チェックリストの自己評価の時期・講義や検討会の時期・方法を質的に分析する。検討会は、90分間とし、5名程度のグループを作り以下の点において意見交換後、各グループから全体に報告してもらう。①看護管理者としての実践においてどのような意識や行動の変化がありましたか、②本研究に関する意見(チェックリストの自己評価の時期・講義や検討会の時期・方法)。(1)(2)(3)の結果を統合し、チェックリストの自己評価・インタビュー調査の時期、検討会の内容を検討し、情動知能的なリーダーシップ行動を高めていく看護管理者育成プログラムを検討する 令和2年度以降は、平成30~令和元年度の結果をもとに実用可能で効果的なプログラムを開発する。随時、関連学会等で成果報告する。必要に応じ、学会・研修等に参加し本研究に関連する情報収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析作業等で活用する「リーダーシップ」「マネジメント」等の図書を購入するため、また平成30~令和元年度の看護管理者育成プログラムを開発の検討およびその成果を国内外の学会で報告・発表する渡航費に使用するため。
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