研究実績の概要 |
本研究は看護管理者の情動知能的なリーダーシップ行動を高めるために、研究代表者(古澤,2017)が作成した「リーダーシップ自己評価チェックリスト」(以下チェックリストとする)を活用し、新たな看護管理者育成プログラムを開発することである。 研究初年度は、講義による知識の教授およびチェックリストの使用方法の説明を実施した上で、3か月毎のチェックリストの自己評価とインタビュー調査を実施した。 2年目は、対象者にチェックリストの評価を分析した結果の報告およびグループワークを実施し、①チェックリストのリーダーシップ行動項目の意識・認識の変化、②チェックリストの自己評価・方法、③講義・検討会の時期・方法、④本研究に参加して現場の実践で変化したこと、⑤本研究への意見・感想・プログラム開発への提案について、グループごとに意見交換し報告・共有した。意見として①「自己を振り返り、苦手な部分を意識するようになった」、②「自己評価は3ヶ月ペースでよかった」、③「時期は、年度初め、年度の中間2回、年度末のペースでよかった」、④「情動知能の視点が成長した」、⑤「主任看護師もプログラムに参加するとよい」などの意見であった。 3年目は、チェックリストとインタビュー調査の分析を進めた。 4年目は、3年目に引き続き、チェックリストのリーダーシップ行動項目得点の変化を量的に分析し、インタビュー調査の情動知能的リーダーシップ行動項目に対する意識の高まりや行動の変化を質的に分析した結果と統合し、効果的な看護管理者育成プログラムを検討した。3ヶ月毎にチェックリストを活用し繰り返し自己評価をすることで、看護管理者の情動知能的リーダーシップ行動項目の得点が上昇することや、インタビュー調査の結果から意識の高まりや行動の変化に繋がることを確認できた。
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