本研究の目的は、先天性耳介奇形を矯正するための安全な耳介矯正装具を開発することである。第1段階として、矯正装具に適した素材の検証、第2段階として矯正した耳介軟骨の形態が維持されるのかを検証した。ウサギ耳介部を可塑性樹脂で彎曲固定し、3ヵ月後の様相を観察したところ、耳介軟骨・表皮・皮下組織が肥厚し、血管増生が認められ、固定を行っても軟骨増生を阻害しないことが明らかとなった。彎曲固定した耳介部を解除した後の形状を観察したところ、固定解除後は徐々に元の形状に戻るが、3週間以降は変化はなかった。このことから、矯正装具として可塑性樹脂は適しており、固定は3週間以上行う必要があることが明らかとなった。
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