上肢リンパ浮腫の前腕前面では肘窩に近い部位ほど患者は症状変化に自覚的である可能性が示唆された。多くの上肢リンパ浮腫症例において,一生涯にわたって何らかの浮腫ケアを続けていく特徴を踏まえると,この知見はケア継続にむけて患者をエンカレッジするための重点的な介入ポイントとして、ケアプログラムを構成する基礎的知見となることが期待される。今後、被検者を増やすことに加えて、本研究で弾性包帯法実施後に凹状の変化を示した部位の内部構造の解析が必要である。なお、本研究では前腕前面に解析範囲を限定したが、患者自身によるセルフアセスメントの妥当性を検討するためには、実験系のさらなる検討の必要性が示唆された。
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