研究課題/領域番号 |
18K17485
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
廣田 美里 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70595488)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | うつ病 / 家族 / 看護支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、うつ病患者の家族に対して、体験を聴くことに重きをおいた個別面接形式の看護支援プログラムを実施し、家族への介入効果を検証することである。 平成30年度は、A県内の大学病院、私立病院の精神科外来およびクリニックにて、研究対象者のサンプリングならびに介入の実施を行った。 本研究では介入(個別面接)の忠実性がとりわけ重大となる。介入方法(個別面接の方法)のプロトコルは、平成28-29年度(研究活動スタート支援)に作成を完了していた。平成30年度にて、研究者以外の看護師が介入を実施したが、その際に、面接前に研究の趣旨やプロトコルの説明を十分に行い、また、面接内容の録音データの確認を行うことで、忠実性が順守されていることを確認した。さらに、介入を行った看護師との定期的な会議により、介入における課題についても検討を行っている。 一方、介入を行う看護師が、予定していた人数よりも少ないために、研究対象者も予定よりも少ない人数にしか行うことができていない現状である。平成30年度末時点で、研究対象者予定数の約半数であるため、次年度も引き続き、研究対象者のサンプリングと介入の実施がメインとなる。 また、研究対象者の面接内容について、研究対象者から同意を得ることができた場合には、逐語録にしている。この逐語録をデータとして、質的分析を進めている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、研究協力施設に勤務している看護師に、本研究の介入の協力を得ることで、研究対象者数を増やしていく計画であった。しかし、大学病院や私立病院では、看護師の外来業務で、非常に多忙な状況があり、本研究の協力を得ることは不可能であった。その結果、本研究に協力可能な看護師を公募しているも、この募集に労を費やしていることが、研究の進捗の遅れに最も影響していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度も、引き続き、研究対象者をサンプリングし、介入の継続とデータ収集を行う。また、面接内容のデータが蓄積されてきているため、質的分析も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ保存、解析のためのパソコンの購入費用を予算として計上していたが、今年度は購入不要であったため支出が抑えられた。また、研究対象者への謝品、質的分析におけるスーパーヴァイズにかかる講師への謝礼などの、人件費・謝金の支出についても、当初の予定を下回ったため、差額が生じた。当初計画していた研究協力者数が、今年度下回ったため、次年度に介入する対象者を増やす必要がある。それゆえ、生じた差額は人件費および謝金に充てたいと考えている。
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