日本では100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験し、世界的には約3億人がうつ病に罹患しているといわれている。うつ病は、再発を繰り返し、慢性的な経過を辿ることも少なくない。患者は症状とつき合いながら生活を送ることに苦悩するが、ともに生きる家族もまた、患者とは異なる苦悩を抱えながら患者を見守っている。特に、うつ病患者のキーパーソンは、配偶者であることが多く、配偶者は患者の心理的ケアを行いながらも、様々な家族内外の役割を担う。しかし、うつ病患者の配偶者への支援は行き届いているとはいえない。本研究は介入研究を通して、うつ病患者の配偶者に看護師が関わり、配偶者の思いを聴く場をもつことの重要性を示した。
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