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2020 年度 実績報告書

混合研究法を用いた精神症状の観察技術の可視化と技術の教育効果の評価

研究課題

研究課題/領域番号 18K17486
研究機関徳島大学

研究代表者

千葉 進一  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (30515622)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード精神看護 / 観察技術 / 視線解析
研究実績の概要

本研究は,統合失調症模擬患者の精神症状の観察場面で,非接触型視線解析システムを用い,精神症状を観察している最中の精神科看護師と看護学生の視線運動を比較し量的に評価した.目的は,精神看護の経験が長い看護師と経験が浅い看護学生の視線情報を分析し相違を明確にし,看護師の精神症状の観察技術の特徴を検討することであった.対象者は,研究について同意が得られたA県の精神科病院に勤務する中堅から熟練看護師21名と,B県の看護系大学に在学中で精神看護学実習が終了した看護学生20名であった.方法について,精神症状を呈している模擬患者の動画を,対象者が観察している最中の視線運動を記録し,視線解析システムで分析した.分析方法について,研究者が重要観察領域を設定し,その領域で停留時間,停留回数の総和を求めた.統計解析方法は,看護師と看護学生の2群で,Mann-WhitneyのU検定で差の検定を行った.結果は,上肢の領域の観察において,看護師で中央値7147.90sec,看護学生で中央値2447.54secであり有意な差がみられた(U=98.00, p=0.01).それ以外では,有意な差はみられなかった.看護師は看護学生に比べ,患者の上肢の観察について,一回の観察に長い時間をかけ複数回に分けて観察していることが分かった.臨床経験の長い看護師の観察は危険予測に特徴があり,精神科看護師においては暴力の危険性を予測し,上肢を観察していたと考えられた.また,看護師は上肢の動きを暴力の危険性の予測だけでなく,精神症状による興奮や焦燥感,向精神薬の副作用である振戦,自傷の傷跡等,様々な可能性を検討しながら,さらに状況によって変化する暴力への発展の可能性についても時間をかけて観察していることが示唆された.

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公開日: 2021-12-27  

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