研究課題/領域番号 |
18K17492
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
大西 陽子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30720768)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クリティカルケア看護 / 人工呼吸器装着患者 / Light Sedation / 同意 / PICS |
研究実績の概要 |
現時点で研究関与者(患者)13名、研究対象者(看護師)17名からデータを得ている。参加観察場面はⅰ)バイタルサイン測定、ⅱ)全身清拭・陰部洗浄、ⅲ)体位調整、ⅳ)喀痰吸引等であった。半構造化面接は看護師1名あたり約40~80分実施した。参加観察およびインタビューデータのM-GTAによる継続比較分析において、看護実践を構成する概念として以下が明らかとなっている。 ①ケアの必要性(意味)を説明する、②実施後に成果を伝え合う、③実施後に労いや感謝の言葉をかける、④実施するタイミングを見逃さない、⑤個々の特徴的な反応を捉える、⑥誘いや促しに対する拒否を尊重する、⑦そばで安心感を与える、⑧ケアで嫌な思いをさせない、⑨出来そうなことを促す、⑩危険な動作を見極める、⑪ケア計画の提案、⑫動こうとするペースに合わせる、⑬警戒心を解く、⑭快刺激の提供、⑮現実に意識を引き付ける、の15概念が導き出された。これらの概念は仮のものであり、現在検討中である。 看護師は患者の同意を得てケアやリハビリを実施するために、繰り返し実施される侵襲や苦痛を伴う処置において患者固有の意思表示方法を把握し了承または拒否の意思を尊重している。そして、患者に対し実施前後に呼吸苦が緩和されることや自らの力で出来ていることを伝えケアや処置の意味づけを行うことで、その後も患者自らの意思でケアやリハビリに参画できるようつなげている。この看護実践は、患者が回復を実感できPICS予防につながる援助であることが検証されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大により、研究フィールドへの立ち入りが制限されたため。 現在は立ち入りが許可され、データ収集を再開している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年6月データ収集完了を目指し、データ収集を継続する。 今後、新型コロナ感染症患者増加に伴い再度研究フィールドへの立ち入りが制限される可能性がある。それに備え、オンラインを活用したデータ収集(インタビュー)の整備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大にともなう研究フィールド立ち入り制限により、データ収集が中断し、それにかかる旅費、謝金の使用が予定当初より減少したため。
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