研究実績の概要 |
本研究は、急性心不全患者の初回立位の可否をスクリーニングするアセスメントシートにおけるアセスメント項目の信頼性の検証を行うために、関東圏内の循環器専門病院1施設および東海地方,関西地方で地域の中核を担う総合病院各1施設の計3施設における集中治療室にてデータ収集を行った. その成果として、研究協力者(看護師)は54名、研究参加者(心不全患者)は105名であった。各項目における一致率では、心房細動の既往歴におけるκ係数は0.294,p<.005、侵襲的な人工呼吸管理ではκ係数は0.222,p<.002、抑うつはκ係数-0.025,p>.676であった。看護師が急性心不全患者の初回立位の可否をアセスメントする際に用いた割合は、心房細動の既往歴は81%、侵襲的な人工呼吸管理は75.2%、抑うつ71.4%であり、内容的妥当性は高いといえる。また,アセスメントシートを用いた初回立位の可否のアセスメント結果と実際の立位の状態の相違は7.6%であり,92.4%はアセスメントと実際の立位の状態と一致してい。これらのことから、本アセスメントシートは十分な信頼性がみられないアセスメント項目はあったが,内容的妥当性は高く,予測的な妥当性が示された.
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