研究課題
若手研究
本研究は、慢性期の精神疾患を抱える人々が、看護ケアを如何に経験しているのかを記述することを目的とした。精神科療養病棟におけるフィールド調査と患者と看護師へのインタビューを実施し、各々の視点から分析した。その結果、患者たちの生活は様々な過去の経験から成り立ち、現実と妄想の中で自分らしく暮らしていた。彼らへの看護ケアは、患者たちへの深い理解、看護者間の相互理解や患者たちからの反応によって構成されていた。
医歯薬学
本研究を通じて、精神疾患を抱える人々の視点から、彼らがケアを如何に経験しているのかが明らかになることによって、地域で彼らへの対応に困難を感じている訪問看護師たちにとって、彼らの理解や関係性の構築においても示唆を得ることができると考える。また、病院と地域における患者たちの経験や看護ケアが明らかになることにより、今日の課題でもある病院と地域の連携において、一貫したケアを提供するための新たな指標づくりに貢献することが可能となると考える。