研究課題/領域番号 |
18K17506
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
藤野 清美 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (20719504)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 長期入院患者 / ひらかれた対話 / 地域移行 / 意思決定支援 / 多職種 / 協働 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、長期入院患者と支援者が協働するひらかれた対話による意思決定ケアモデルを構築することである。2019年度は、以下の2つの研究を実施した。 (1)「地域移行した長期入院患者が社会の一員として自己価値を見出す過程と安寧を満たす要因」についての研究では、精神科病院に長期(1年以上)入院した経験があり6ヶ月以上地域生活を継続した統合失調症者10名よりデータを収集し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。支援者は、長期入院患者の意思を尊重して社会で生きる支援を絶やさないことが、長期入院患者の安寧を満たし自己価値の発見に至ることが示唆された。本研究は、The 6th International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Scienceにおいて、紙面にて発表した。 (2)「多職種からなる支援者が、地域移行へ向けて長期入院患者とのひらかれた対話により、協働で意思決定をケアする過程における方法と課題」についての研究では、関東甲信越地域にある精神科病院4施設の看護師9名と精神保健福祉士8名、地域機関(基幹相談支援センター1施設、相談支援事業所4施設、地域生活支援センター3施設)の相談支援専門員8名からなる多職種のデータを収集した。地域移行へ向けて、精神科医療と地域支援者が長期入院患者とのひらかれた対話により、協働で意思決定をケアする過程における方法と課題について、各専門職種の視座より質的記述的方法を用いて分析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(2)の研究において、研究対象候補者が集まりにくく、12施設へ研究協力を依頼し面接した。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置により、データ収集を延期した。各専門職種の意思決定支援方法と課題を明らかにするために、分析方法を変更した。
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今後の研究の推進方策 |
(1)の研究は、論文投稿に取り組み、支援方法への示唆を得る。 (2)の研究は、多くの施設より協力が得られ、多職種から収集した多様なデータの分析を、スーパーバイズを受けて丁寧に行い、意思決定支援方法と課題を明らかにする。意思決定支援に関するセミナーへ参加し、情報収集する。(1)と(2)で得られた知見を基に、先行研究より専門家の助言を得て、ケアモデルを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、政府の自粛要請により国際学会が中止となり、研究費の使途に変更が生じた。 国際的な感染症の流行により、Web開催による学会発表や情報収集を計画する。
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