就学前の子の育てにくさを感じ、悩みを持ち誰かに相談した母を対象として、専門家に相談した母と相談しない母の特徴を明らかにする。「育てにくさ」については、厚生労働省の「健やか親子21」の重点課題となっている。現在、日本は、少子化で子どもが減少している中で、児童虐待の増加も生じており、次世代を育成する子育ては、日本のソーシャルエコノミーの視点においても重要な課題である。その中で本研究は、特に養育者である母親の「育てにくさ」や子育ての悩みに着目している。そして、この「育てにくさ」に対してどのような支援が必要とされているのか、本当に必要な対象者に適切に支援をするためにも養育者の特徴を明らかにすることは重要である。また、本研究の結果は、行政機関の施策に新たな視点を加えられる部分において意義があると考える。 調査はすでに終了し、400人のサンプルの統計解析を何度も実施している状況である。おおよその子どもの行動問題(臨床域にある/なし)、子育てに関する親のストレス、養育者の環境(居住地、世帯年収、仕事の有無、最終学歴、母の健康認識)と専門家に相談する(相談しない)母親の特徴は示すことができている。その結果を論文にまとめている状況である。 今後としては、コロナ感染拡大に伴いインタビューを中止していたが、コロナ禍が落ち着いてきているため、インタビューを再開し、そして論文にまとめていく。
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