研究課題
若手研究
救命救急センターで勤務する看護師の自殺未遂患者に対する態度に影響を与える要因とその強さを明らかにすることを目的とし、日本の救命救急センター73施設の看護師419名のデータを分析した。その結果、看護師の自殺未遂患者に対する態度に影響を与える要因として、相手の立場から他者を理解しようとする認知傾向と情緒反応、自殺未遂患者のケアに関する教育経験とケアに対する不安、患者の重症度や周囲を振り回す言動、看護師と医師との関係性、自殺未遂患者と他患者とを比較すること、生活における個人的経験が同定された。
臨床看護学(精神看護学)
自殺既遂者には自殺未遂歴のある者が多く含まれていることから、自殺未遂患者に対する看護は自殺予防において重要であるといえる。しかし、先行研究では、三次救急医療に携わる看護師は自殺未遂患者をケアすることに難しさを感じているとの報告がある。本研究によって、看護師の自殺未遂患者に対する態度に影響を与える要因とその強さを明らかにすることができた。本研究の成果は、看護師が自殺未遂患者に肯定的な関心を示して関わり続けられるようにするための教育内容の検討や、職場環境の調整に役立てることができると考えられる。