研究課題/領域番号 |
18K17510
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研究機関 | 関西看護医療大学 |
研究代表者 |
磯野 洋一 関西看護医療大学, 看護学部, 講師 (50614517)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アディクション看護学 / 家族看護学 / リカバリー |
研究実績の概要 |
本研究の主要な目的は、アルコール依存症の家族のリカバリを解明することである。具体的には、「アルコール依存症の家族のリカバリのプロセスにおいて、家族がリカバリするために必要な要素を明確化」することである。初年度は、本調査と分析の際の参考にするため、フィールドワークにてアルコール依存症の家族の体験を拝聴した。また、リカバリの概念分析を実施し、「アルコール依存症の家族」に対するリカバリー概念の応用の可能性を引き続き検討している。 概念分析の過程では、「リカバリ」には「エンパワーメント」や「ストレングス」などの概念が重要な影響を及ぼすことも示唆された。さらに、「リカバリ」に類似している「レジリエンス」の概念を共に分析し、「リカバリ」と「レジリエンス」の相違点にも着目しながら、「リカバリ」の概念をより明確化していく。概念分析の結果は、本調査の分析の際に参考にするための重要な資料とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「アルコール依存症のリカバリ」や「アルコール依存症の家族のリカバリ」に関する国内外の文献、さらに「アルコール依存症の家族のリカバリー」を概念分析する上で重要な概念や類似概念である、「レジリエンス」「ストレングス」「エンパワーメント」「家族の回復」等の国内外の文献複写や取り寄せに時間を要した。本調査に必要なフィールドの確保やフィールドワークは順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
国内外の文献等を用いて、アルコール依存症の家族へのリカバリ概念の応用について概念分析を進めている。 本調査は、現在の所属機関にて研究倫理審査中である。研究倫理審査の承認を得た後、「現場に根差したデータを収集しつつ、質的な分析を繰り返す」という研究課題と分析の性質上、フィールドワークを継続しながら、プレ面接、面接の洗練化、本調査の面接という過程でデータを収集する。特にフィールドワークは、研究者の問題意識とその問題意識とする現象(リカバリプロセス)の真意を検討するためにも必要不可欠であり、断酒が継続している家族の体験談を継続的に拝聴していく。分析する過程では、依存症専門医から医学的な観点の助言を受け、結果の洗練化をして最終的な結果を生成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の研究論文や書籍などの文献の取り寄せに時間を要したため。今年度は文献の取り寄せと資料整理の謝金、引き続きのフィールドワークの為に必要である。
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