アルコール依存症は「家族の病」であり、アルコール依存症当事者のみならず、家族全体が崩壊に至る病である。一方で、家族が危機を乗り越え、希望を持ち新たな人生を送る過程としての家族のリカバリーを解明することで、家族がより幸福な生活へとつながる。本研究における社会的意義は、①社会で広く使われ曖昧になっているリカバリーの概念分析を行うことで、その構造と機能を明確化し、アルコール依存症の家族のリカバリーの活用性を検討可能にした。②アルコール依存症を配偶者にもつ夫婦のリカバリーのプロセスを明らかにすることで、効果的な看護介入の時期の特定や介入方策を検討し、実現可能な看護介入の開発へ繋げる基礎的資料となる。
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