本研究は、糖尿病性足潰瘍において創傷治癒効果が報告されているバイブレーション セラピーの臨床応用を目的とした。臨床研究の前段階として、バイブレーションセラピーによる創傷治癒効果のメカニズムを明らかにするため、in vitroおよびin vivoの基礎実験を行った。糖尿病肥満モデルマウスを用いた動物実験において、バイブレーションセラピーによる創傷治癒日数の短縮効果は認められなかったものの、内臓脂肪の減少による減量効果および創部感染の軽減効果の可能性が示唆された。 本研究によって、バイブレーションセラピーには創傷治癒過程における創感染リスクの軽減効果があることが示唆され、糖尿病足潰瘍をはじめとする難治性創傷や慢性創傷だけでなく、肥満皮膚の創傷といった創感染リスクが高い創傷に対する臨床応用の可能性が期待できる。
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