臨床対人反応性指標の原案を統計学的に検証することを目的としてオンライン上での無記名自記式質問紙調査を実施した。 対象者は、全国の精神科病院、救急救命センター、緩和ケア病棟に所属する看護師とした。調査を依頼する対象施設は、層化抽出法によって抽出し、2018年5月から7月に協力を依頼した。調査内容は、対象者の背景、臨床対人反応性指標の原案、対人反応性指標、セルフ・コンパッション尺度、自由記述であった。質問紙の入力期間は2018年9月から10月末とし、施設を通して対象者に調査を依頼した。2018年11月、回答されたデータを業者から受け取り、SPSS.ver24 を用いて、統計学的検証を行った.なお、本研究は実施にあたって発表者が所属する大学の倫理委員会の承認を得た(18-050)。 調査の結果は以下の通りとなった。研究への協力を依頼した216施設のうち、49施設から協力が得られた。協力が得られた施設で働く看護師1323名に依頼文書を配布し,57名から回答があった.対象者の平均年齢は43.5歳(標準偏差11.7)であった.項目分析を行った結果、4項目が他の項目と関連が低く、見直しが必要であるという結果になった。探索的因子分析の結果、23項目4因子構造となった。既存の尺度との相関に関して、対人反応性指標、セルフ・コンパッション尺度の下位尺度と臨床対人反応性指標の4つの因子は中程度から弱い相関を示した。相関分析の結果から、特に第2因子は視点取得と関連があると考えられた。 オンライン調査の結果、回答数が少なく十分な分析が行えないものの、行う予定であった予定通り分析まで終了している。
|