本研究の目的は,看護師の共感を評価する臨床対人反応性指標(原案)の統計学的に検証することであった. 対象者は,全国の精神科病院,救急救命センター,緩和ケア病棟に所属する看護師とした.調査を依頼する対象施設は,層化抽出法によって抽出した.調査は,オンラインでの無記名自記式質問紙を実施した.質問紙の内容は,対象者の背景,臨床対人反応性指標(原案),対人反応性指標であった. 研究への協力を依頼した216施設のうち,49施設から協力が得られた.協力が得られた施設で働く看護師1323名に依頼文書を配布し,57名から回答があった.対象者の平均年齢は43.5歳(標準偏差11.7)であった.探索的因子分析の結果,臨床対人反応性指標(原案)の27項目のうち4項目が除外され,4因子構造となった.対象者が少なく、信頼性と妥当性の評価を行うには不十分な結果となった.この結果について、国際学会および国内学会にて発表した. 臨床対人反応性指標(原案)は,対象者を増やし,統計学的検証をする必要があると考えられた.したがって,看護師の共感を評価する臨床対人反応性指標の信頼性と妥当性を確認するため,個別郵送法にて質問紙を実施した.全国の看護師約800名から協力が得られ,現在,結果を分析中である.
|