研究課題
若手研究
文化的背景は糖尿病療養に影響し得ると考えられる。西洋で個人の独立性が重視されているのに対し、東洋では協調性や社会的調和が重視される傾向がある。本研究から、日本人糖尿病患者において、協調性が高い人ほど自己療養行動が難しくなる傾向があること、周囲の親しい人々からのサポートを多く受けている人ほど自己療養行動が成功しやすいことが明らかになった。この関係は患者の年齢が若いほど強い可能性がある。糖尿病患者が周囲の親しい人からサポートを受けやすくなるような医療的介入方法が療養行動の改善に効果的と考えられる。
糖尿病学
糖尿病の患者の療養支援において、周囲からの理解や支援が受けられるように、患者の家族などに指導介入する方法は既に行われているが、この方法では効果の大きさや波及の範囲に限界があると推測される。今後は、周囲からの理解や支援が得られやすい患者自身に備わる要因について検討し、これを促進するべく患者自身に介入する方法を重視することで、これまでにない介入方法が実現する可能性が高い。