研究実績の概要 |
本研究の目的は救急看護コンピテンシーの評価尺度の開発と検証である。 まずは評価尺度の項目抽出のために、国内外における救急看護コンピテンシーに関するScoping review(ScR)を計画した。ScRでは質の高い救急看護を実践するAdvanced Practice Nurse (APN)のコンピテンシーに焦点を当てた。ScRの目的は、救急・クリティカルケア環境のAPNが実践しているコンピテンシーを調査し、実践に関連する要因を明確にすることであった。研究は7つの電子データベース(MEDLINE、CINAHL、Scopus、Web of Science、Ichushi-Web、Mednar、GreyNet International)で広範な検索が実行された。データベース検索の結果、2,165件の研究が特定され、最終的にデータの抽出のために21の研究に絞り込まれた。関連する全てのデータが抽出され、救急・クリティカルケア環境のAPNのコンピテンシーと実践に関連する要因を特定するために説明的な数値の要約と定性的データ分析が実施された。分析により、コンピテンシーは高度実践看護の実行や急性状態の患者管理、身体的なアセスメントと診断、学際的なコラボレーションとコンサルテーション、専門的なリーダーシップとシステム管理、患者管理の文書化、患者や家族の意思決定支援が特定された。実践の関連要因として、他者からの役割に対する認識と支援、病院の管理的な支援、高度実践のための知識と経験、仕事量と役割の明確化、法的な支援が特定された。 既存の文献から抽出された項目は全てが国外の結果であり、実践するコンピテンシーが臨床現場の状況に適しているかをAPNへ調査し、評価尺度の項目としての適切性を確認する必要がある。
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