研究課題/領域番号 |
18K17523
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
浜崎 美和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (70815935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 関節リウマチ患者 / 口腔ケア / 歯周病関連菌 / 登録リウマチケア看護師 / 音波歯ブラシ |
研究実績の概要 |
2020年度は、歯科医院に通院している健常人と関節リウマチ患者を対象に、関節リウマチ患者の口腔ケアについての実態、口腔ケア介入前後の歯周病関連菌の変化を明らかにすることを目的として実施した調査結果をまとめた。調査項目は、歯周病関連菌、プラーク付着の状況、歯周病自己チェックや歯科受診状況、健常人と関節リウマチ患者で検討した。なお、本研究は倫理審査委員会での承認を受け、研究の趣旨や自由意思での参加、対応表での情報管理は個人が特定されないよう十分に配慮することを文書で説明し実施した。また、本研究では、調査歯科医院の歯科医師や歯科衛生士などスタッフの協力を得て実施した。 分析対象者は、健常人15名と関節リウマチ患者3名、性別はすべて女性だった。歯科受診状況は、定期受診している健常人は10名(66.7%)、関節リウマチ患者は3名(100%)だった。音波歯ブラシ使用前後で、健常人では歯周病自己チェック項目数(p=0.009)やプラーク付着の状況(p=0.034)は有意に低下した。関節リウマチ患者は、対象者数が少なく統計解析できないが、プラーク付着の状況は3名ともに低下した。歯周病関連菌は、健常人では基準値内で変化はあるものの有意差はなく、音波歯ブラシ後に増加している歯周病関連菌を認めた。関節リウマチ患者では、音波歯ブラシ使用後に歯周病関連菌は基準値を超えて増加した。 現在歯科医院で治療をする患者を対象とした為、症例数が少なく歯周病関連菌には治療内容等が影響していることが推察された。プラーク付着の状況では、健常者と関節リウマチ患者で低下しており、歯面のプラーク除去には効果があることが推察された。今後は、さらに症例数を増やすとともに、歯周病関連菌の増加の原因について検討する必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、関節リウマチ患者を対象に調査を行う予定であったが、COVID-19により研究協力施設での調査が困難な状態にあった。今回、歯科医院で調査した内容を基に検討を重ね、研究協力施設の関節リウマチ患者を対象に実施する。 また、2020年度までに実施した研究結果は、学会発表し論文投稿または論文投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
歯科医院で実施した調査結果を基に、調査内容や方法、タイミングを検討し研究協力施設で関節リウマチ患者を対象に実施できるように、感染対策も含めて検討している。 これまでに明らかとなった研究結果については、学会発表するとともに論文投稿を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、COVID-19の感染拡大防止のために研究協力施設での調査や対面での検討会、または学会等への参加が出来なかった。また、研究結果を論文作成中のために次年度使用額が生じた。 今年度は、論文投稿するとともにこれまでの結果を基に検討し、さらにCOVID-19の感染対策を行った上で研究協力施設での調査を実施することに使用する予定である。
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