2022年度は、日本リウマチ財団登録リウマチケア看護師(CNJRF)を対象に関節リウマチ患者の患者支援の実態を明らかにすることを目的に実施した調査結果をまとめて学会発表した。 研究デザインは横断研究とし、CNJRF1194名を対象に、質問紙調査を郵送法にて実施した。調査項目は、所属施設、「患者支援」7項目(関節保護、疼痛管理、薬物療法、口腔ケア、フットケア、感染管理、精神的ケア)、『患者支援の具体的な支援内容』各8項目、患者支援に対する自信(VAS)を測定した。患者支援と具体的な支援内容について、カイ二乗検定、所属間の比較にはKruskal-Wallis検定を用いて検討した。 分析対象者は、調査紙の返信が得られた464名(回収率38.9%)で、所属施設は病院331名(71.3%)が最も多かった。患者支援は、「感染管理」460名(98.9%)が最も高く、最も低かったのは「口腔ケア」228名(62.5%)だった。具体的な支援内容では、「感染管理」の『日常生活での感染予防の説明』439名(94.4%)が最も高く、「口腔ケア」の『家族への支援依頼』25名(5.4%)が最も低かった。患者支援や具体的な支援内容における所属間の比較では、統計学的有意差は認めなかった。患者支援に対する自信は、「感染予防」が最も高く(69.3±19.6)、「口腔ケア」(40.3±25.8)が有意に低かった(p<0.005)。 看護の役割として、患者教育や心理面での患者支援、自己管理技術の支援が推奨されており、CNJRFは、高い割合で多くの患者支援を実施していた。特に、治療に関連した感染管理などの支援が重点的に実施されていたが、時間や技術が必要となるフットケアや口腔ケアの実施割合は低く、今後看護支援の方法等を検討していく必要があることが示唆された。
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