研究課題/領域番号 |
18K17524
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
菅原 よしえ 宮城大学, 看護学群, 教授 (60315570)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん患者 / 外来化学療法 / 災害 |
研究実績の概要 |
がん化学療法を受ける外来通院患者の災害時の課題と対処に活用できるリソースについて調査を進め、地域のリソースとして、がん患者団体等の調査予定であった。しかし、COVID-19の流行により調査方法の再検討が必要となった。その代替として、がん診療連携拠点病院の相談支援センター看護師を対象としたインタビューを行い、災害時のがん患者の支援体制の課題を洗い出した。その後、がん患者支援団体2件のインタビューを行い、東日本大震災時の対応として、会員の安否確認、医療機関情報の共有を電話及びe-mailで行っていたことが明らかになった。災害時に相応する非日常的な現況にあるCOVID-19の影響下においては、COVID-19の感染拡大に伴う活動自粛が大きな影響を与えていることが分かった。「会員の交流が困難である」「活動再開の判断が難しい」「会の活動周知が停止している」「新たな入会がない」等であった。がん化学療法中は、白血球減少等の感染リスクが生じる事から、3密を避ける感染予防策を徹底するため、会員が集合する活動が中止されていた。方法として、オンラインによる会議、無料通話アプリのラインを活用した情報発信を行っていたが、活用できる者が限られ、活動は縮小傾向となっていた。活動の縮小傾向が、継続することで、がん患者支援団体の継続をも危ぶまれる状態に陥っていることがわかった。 これまでの、相談支援センターと少数のがん患者支援団体のインタビューから、COVID-19の影響により、がん患者を支援するリソースが減少の危機にある事がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
災害時のがん患者のリソースとして、がん患者団体に対するアンケート調査をすすめ、その後、インタビュー調査を行う計画であったが、COVID-19流行に伴う患者会活動の自粛、研究活動に伴う移動等の自粛が生じ、遅れていた。COVID-19を考慮した調査方法の再検討を行い、がん相談支援センター及びがん患者支援団体のインタビューを行い、現況の課題の洗い出しを行った。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では、全国のがん患者を支援するリソースの現況を調査すると共に、先進的な活動を維持、進めているがん患者支援団体の視察を実施し、がん患者支援のリソースの維持、新たな開発について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度調査実施に向けて、調査リスト作成のために、必要物品、研究補助者への謝金を使用した。しかし、COVID-19流行による影響で、広くアンケート調査の実施ができず、郵送費、調査後のデータ整理の人件費等が残額となった。2020-2021年度では、COVID-19の感染予防策を講じて、インタビュー調査を行った。2022年度では、全国のがん患者を支援するリソースの現況を調査するするための、物品費、人件費、を使用予定である。また、がん患者を支援するリソースの維持、新たな開発について検討のために、先進的な活動を維持、進めているがん患者支援団体の視察に要する旅費等に使用予定である。
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