研究課題/領域番号 |
18K17525
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
菅原 亜希 宮城大学, 看護学群, 講師 (30521835)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | セルフマネジメント支援 / 虚血性心疾患 |
研究実績の概要 |
自己健康管理支援システムとして、前年度までに明らかになった遠隔支援の課題をもとに、遠隔支援における過去の対象者の取り組み状況を分析した。特に、慢性病のセルフケアの中範囲理論によれば、セルフケア(自己管理)には、セルフケアメンテナンス、セルフケアモニタリング、セルフケアマネジメントの3つのキーコンセプトがある。その中でも実践レベル、研究レベル双方において、メンテナンスとモニタリングが主となっている現状が、他の研究者らの指摘や患者教育の実態調査から明らかになっている。 過去の患者の取り組み状況をメンテナンス・モニタリング・マネジメントの3つの視点で分析したとき、研究者らが開発したプログラムは、求められている健康行動の提示、セルフモニタリングの方法に加え、モニタリング結果を解釈するための学習資料が備わっており、対象者のプログラム活用状況によってはマネジメントが強化されていた。研究者らの介入プログラムがセルフケアマネジメントを強化するという強みが見出された一方、その成果は対象者のプログラム活用状況に依存しており、これはすなわち、学習資料を読む力、モニタリング結果と学習資料を関連付けて読み解く力といった、対象者のヘルスリテラシーに依存していたということが課題として見出された。本分析結果については、論文投稿中である。 また、昨年度までに本介入の看護目標の一つとして、虚血性心疾患をもつ個人が日常生活においてコントロール感を得られている状態を設定した。しかしながら、文献検討により、コントロール感=perceived controlは複数の理論的枠組みの中で用いられ、その定義と尺度も定まっていないことが明らかとなった。そのため、本研究の文脈におけるコントロール感について概念分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染流行に伴う諸業務の増加により、研究遂行が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
コントロール感の概念分析(または概念の明確化)、および投稿中の論文に対する査読結果から、考察を深化し、遠隔プログラム(プラットフォーム)の目的の明確化、およびそれを活用する看護師による介入の焦点を定める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍における遠隔医療と看護の関わりを整理する予定であったが、遠隔診療における看護の関わりの報告は少なく、その内容を整理するに足る情報が得られなかった。心不全看護外来などの看護専門外来での取り組み参考に、本研究における介入目標に基づき介入内容を整理し、アプリケーションの位置づけを明確にし、遠隔介入の全体像を描出する。その一環として既存アプリケーションのデータをプールするプラットフォームの開発を進める方向である。
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