研究課題
若手研究
がん化学療法により生じるしびれは、他の激しく明瞭な症状が周期的に現れることが前面に経験されることで、背後に退き発症の自覚を難しくさせていた。しびれの表現でよく耳にするオノマトペはまだ名付けられないしびれを探り表現する装置として機能していた。初めて自覚するしびれでは、オノマトペ表現の間はまだしびれという自覚はなく、断片的な違和感が継続的になったことを契機にしびれと自覚されていた。
成人看護学
感覚の違和感を自覚するだけではなく、持続という時間幅を含むことが「しびれ」を症状として成り立たせる背景としてあることがわかった。初めて治療を受けている患者にとっては、自らの身に起きていることをすぐに医療用語に結び付けるのは難しい。だが、その間も違和感として感じられており、オノマトペが出現する時期から対話的に関わり、しびれとして早期に自覚することが慣れに繋がる第一歩になると言える。