本研究では、救急外来に勤務する看護師が外国人患者へ対応する際に活用できる支援ツールの開発を目的として遂行した。救急外来に勤務する看護師の外国人患者への対応能力や既存資源の活用状況と活用の阻害要因を明らかにし、既存資源の効果的な活用方法の検討と、既存資源を応用した新たな支援ツールの開発を目指し実施した。2022年度は、次の4点を遂行した。1点目に、2022年度に実施した救急外来看護師15名へのインタビュー調査の結果を質的に分析し、国際学会誌へ英文投稿した。2点目に日本の救急外来へ受診経験のある外国人対象者のリクルートを行い、結果16名に対して質問紙調査・インタビュー調査と分析を行なった。現在分析を概ね終了しており国際学会誌への英文投稿準備を進めている。3点目に、分析より得られた結果を、研究協力者である外国人オブザーバーが所属するピッツバーグ大学看護学部で発表し、学生・教員とディスカッションを行い他文化の視点から考察を深めた。分析を進めるにあたり、国内の質的研究法を専門とする研究者、救急看護領域の有識者、外国人オブザーバーに協力を得て、対面ならびにオンラインでのディスカッションを実施した。4点目に、これまでに得られた情報を統合し、外国人研究協力者とのディスカッションを交えながら教育的支援内容を検討した。前述のように2022年度は、インタビューに関連する調査費と謝礼、データ管理・データ分析・教育プログラム開発や論文投稿に関連する人件費、文献取り寄せ費、英文校正費に研究費を充てた。
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