本研究では外来通院中のがんサバイバーのスピリチュアリティーを支える支援モデルの構築のため、がん看護に携わる看護師のケア内容とスピリチュアリティーの調査に取り組んでいる。 2020年からのCOVID-19の蔓延により研究フィールドである病院への立ち入り制限、看護師への対面によるインタビューが難しくなるなど研究環境が激変した。また、がんサバイバーや家族へのケアを担当している病棟や部門でのケア実践の場も変化した。パンデミックによる家族の面会制限に起因した業務変化や作業量の増加、COVID-19への看護師自身の不安や恐怖などの心理的負担が、バーンアウトや離職に影響する可能性が示唆された。研究対象者であるがんサバイバーへの感染を回避するため、長期化するCOVID-19感染拡大によってがんサバイバーの療養生活への認識の変化や、看護師のスピリチュアリティにも影響していることが示唆された。 がんサバイバーと看護師への対面による定量的調査を一旦中止し、可能な限り対面の接触を避けて低負担で安全に調査を行うために、Webベースの調査方法を選択した。 外来化学療法を受けているがんサバイバーの身体症状、治療中の生活の質、および現在の生活の満足度に関連する要因を特定した。また、看護師の退職の意思と仕事量、負担、および日常生活の変化に関連する要因を特定した。これらの知見は直ちに公表することで、COVID-19に対応している全国の臨床現場へ寄与することが期待されたために、論文を同時進行で解析し投稿した。
|