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2018 年度 実施状況報告書

複雑性PTSDに関連する「むずかしい患者」と看護師の共感疲労に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K17544
研究機関聖カタリナ大学

研究代表者

白柿 綾  聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 講師 (00331760)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードむずかしい患者 / 複雑性PTSD / 愛着障害 / 看護師の共感疲労
研究実績の概要

この研究は、日本の精神科病院において治療困難で入院が遷延化している「むずかしい患者」について、その実態と患者を取り巻く状況、看護者の心理的ストレスに関する状況を明らかにし、「むずかしい患者」をケアする看護師への支援について新たなアプローチを明らかにすることを目的としている。
初年度の計画は、「むずかしい患者」に関する国内外の文献レビュー、多角的な情報収集と看護師の心理的ストレスに関する状況を明らかにすることである。その計画に沿ってまずは「むずかしい患者」に関する国内外の文献レビューを行った。
Pub Med、CINAHL、およびIchushi Webにて「むずかしい患者」×「複雑なPTSD」、「むずかしい患者」×「愛着」というキーワードで検索を行った。得られた国内外文献の結果のタイトルと抄録をスクリーニングした後、患者ー看護師の関係性における難しさについて論じられている論文で、かつ会議録を除くと38文献あった。それらの文献は精神科医療、精神科看護に特化したものばかりではなく、精神科医療・精神看護以外の患者ー看護師間で生じる「むずかしさ」について論じられた文献もみられた。
文献の内容に関しては、「むずかしい患者」とのコミュニケーションの取り方やかかわり方など方法論を主題に述べているものがほとんどで、「むずかしい患者」の背景にどのような対人関係上の問題が絡んでいるのかについて分析されている論文は1件のみであった。また、看護師がどのような心理的なストレスを感じるかについて論じられたものは見当たらず、「むずかしい患者が存在することは現実として多くの治療者が認識しているが実態はわかっていない」や「むずかしい患者をどう定義するか」と書かれてある文献もみられ、「むずかしい患者」が存在する背景を広くとらえて分析し、用語の定義を行うことが不可欠であることも明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は看護師の心理的ストレスに関する状況も多角的に情報収集することも計画していたが、この点に関する情報収集および文献検討が遅れているため、やや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

今後は特に国内における「むずかしい患者」に関する実態と社会・医療的背景に対する情報収集を行う。「むずかしい患者」の実態に関してはさらなる文献検索・文献検討を吸すすめて行くこととする。以上の検討については、精神科医療・精神科看護に限定せず、幅広く行う。
加えて、当初の計画のとおり、「むずかしい患者」の看護を経験した看護師への面接調査を実施するために、まずは教育セミナーを開催し、面接対象者(研究協力者)と面接内容の精選を行っていくこととする。

次年度使用額が生じた理由

当初、文献検討と情報収集のために購入予定であったパソコンが品切れとなったため、その経費が残額となったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Review of Literture on "Difficult Patients"Related to Complex PTSD2019

    • 著者名/発表者名
      白柿綾
    • 学会等名
      22nd East Asian Forum of Nursing Scholars(EAFONS)2019

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公開日: 2019-12-27  

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