研究課題/領域番号 |
18K17553
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
内江 希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10782683)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 助産師 / 分娩介助法 / 分娩外傷予防 |
研究実績の概要 |
代表者の先行研究結果(2015)では、熟練助産師の安全な胎児娩出法は、助産師基礎教育テキストにある手技ではなく、経験から導き出された自然な陣痛と胎児自身の回旋力を見守る待つことを基本とする手技であった。経験の少ない助産師は、熟練助産師のようにCTGを判読しながら、non-reassuring fetal status(胎児機能不全:安心できない胎児の状況)からreassuring fetal status(安心できる胎児の状況)を変換する技を持っておらず、待つことができないと考えられる。non-reassuring fetal statusのなかでも、常位胎盤早期剥離、臍帯脱出などの前兆などの緊急時は別であるが、ほとんどの場合、産婦の体位変換、酸素投与等で子宮循環量を増やし、胎児の酸素化を改善でき、待つことができる助産が可能であると考える。 本研究では、分娩第2期においてreassuring fetal statusの状態にある母児を対象に、児への侵襲を最小限とする自然な陣痛と胎児自身の回旋力による出産での母親と新生児の健康状態を評価することを目的とした。 児への侵襲を最小限とする分娩介助法を「well-being(より良い状態)法」とし、助産学テキストどおりの通常の分娩介助法を「スタンダード法」として分娩後の母児データを収集した。現時点までの分析結果では、「well-being法」は、有意に会陰裂傷が少なく、出生後の児の健康状態として呼吸が安定していたという結果が得られている。よって、「well-being法」は、母児に優しい介助方法であるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、首都圏・近畿圏のデータ収集が予定通りに実施できなかった。現在は、データ収集と入力を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、収集したデータの入力と、分析を行う予定である。 研究結果は、国内外の学会で発表する予定をしている。 論文を作成し、助産・母性分野の研究雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、首都圏、近畿圏の助産所のデータ収集に行くことができなかった。今年度は、データ収集に必要な旅費、国内外の学会発表の際に必要な翻訳費や印刷費、通信費に使用する予定である。
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