研究課題
若手研究
本研究では、母児の出産を見守る方法を「watching法」、児や会陰に介助者の力を加える助産学テキスト通りの方法を「standard法」として、2群間での母児の健康状態を比較することを目的とした。「watching法」は、見守る介助方法を行うことができるかの判断が必要であると考えられ、経験豊富な熟練助産師の方が多く実施していた。「watching法」は、「standard法」に比べて、母体の出血量、会陰裂傷ともに有意に少なく、母体にとって侵襲の少ない方法であった。
助産学
母体の総出血量、会陰裂傷の有無、アプガースコア1分後・5分後、児の出生直後・1・2時間後の呼吸数、出生直後・1時間後の努力呼吸の有無では、「watching法」の方が有意に母児間の侵襲が少なかった。よって、「watching法」は母児の侵襲を最小限にし、母児にとって優しい分娩介助方法である。これらの分娩介助方法を規範とし、新たな分娩介助方法を提案することにより、助産師の質の向上、母子保健の向上に役立つと考える。