全国性教育研究大会(熊本開催)において高校の部実践発表の助言者として参加した際、受講者40~50名の現職教諭に対して、①2020年度に行った妊孕性教育に対する県立高校勤務の保健体育科教諭および養護教諭の意識や経験に関する調査結果、②2021年度作成した高校保健体育科教諭および養護教諭のための、また当該教諭を目指す教育学部学生向けの妊孕性教育実施のためのFertilityハンドブックを作成し、そのQRコードを提供した。 Fertilityハンドブックは閲覧後アンケートに回答してもらったところ、利用に関してポジティブな評価を得た。また性教育や妊孕性教育への意識が高まったことが示唆された。今後はHPを見やすくしたり、教育委員会の協力獲得を試みて、より多くの人に活用してもらう所存である。 ①について、欧州生殖医学会で結果を公表し、好評を得た。本年度末までに当該結果を英語化したため、間もなく国際学術冊子に公表する。 今年度は、①②の研究結果について、全国性教育研究大会や熊本県母性衛生学会(大会長講演)として、浸透させる機会があった。 一連の研究から、学校における妊孕性教育の可能性と限界、課題とニーズが考察できたため、教員にのためには引き続きより良い教育実践のための教材作成、例えば動画のプラットフォームを作成するなど行っていく。また若者のために、学校以外での妊孕性に関する教育や情報を得る機会を確保していくことも課題である。今後はこうした点に焦点を当て、研究を進めていく予定である。
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