研究実績の概要 |
妊婦の不安や抑うつ症状と、早産や低出生体重児、産後うつ、生まれてきた子どもの行動面・感情面の問題との関連については多くの報告がみられる。本研究では、抑うつ症状(EPDS)と不安(STAI)に加え、コルチゾールとオキシトシンを指標とし、①妊娠中期の不安・抑うつ症状と分娩期の異常との関連、②妊娠中期の不安・抑うつ症状と産後3か月までの不安・うつ症状との関連、③分娩期の異常と産後3か月までの不安・うつ症状との関連の3つ明らかにすることを目的とした。 2018~2019年度に対象者の募集と縦断的調査を行った。2020年度は研究①の分析を行い、研究成果を国際学会で発表した。結果として、妊娠後期の抑うつ症状と子ども出生体重は関連していたが、妊娠中期の抑うつ症状との関連はみられなかった(Kanekasu et al., Women, Midwives and Midwifery, 2021.)。更に、研究②の一部として、妊娠中期の不安・抑うつ症状・コルチゾール・オキシトシンと産後のボンディングとの関連を分析した。妊娠中期の不安と抑うつ症状、オキシトシンが、産後直後のボンディングと関連していることが明らかとなった。また、妊娠中期の不安は、産後1ヶ月のボンディングとも関連していた。これらの成果は、国内学会で発表し、現在論文投稿中である。研究③に関しては現在分析中である。
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