本研究は、不妊夫婦、生殖医療施設、児童相談所の三者間の連携システムを構築し、里親制度を利用し特別養子縁組の効果的な運用方法を示すことを目指した。 不妊治療を受ける夫婦は増加の一途をたどっているが、一定の割合で子どもを持つことができないまま治療の終結を迎える夫婦も存在する。一方、実親による養育が叶わず、児童福祉施設で暮らす子どもも増加傾向にある。不妊治療で子どもを持つことができなかった夫婦と家庭での養育が困難な子どもたちのスムーズなマッチングに必要な要因を検討した。児童相談所などの福祉機関のリード、若い世代と医療従事者に対する里親制度の理解を進め、3者連携を図ることが有用であることが示された。
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