研究課題/領域番号 |
18K17567
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
和木 明日香 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30509930)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 助産ケア / 分娩時間短縮 / 三陰交指圧 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、分娩期の三陰交のツボ指圧刺激を、助産師主導の陣痛促進ケアとして確立するために、無作為化比較試験にて三陰交指圧刺激の分娩時間短縮効果と母子双方への安全性を検証することである。前年度迄で、先行研究で実施されている分娩期の三陰交指圧刺激方法が産婦の大きな苦痛を伴うことや、指圧の実施状況により妊婦や胎児の状態変化が起こる可能性があることが分かった。このため、分娩期の無作為化比較試験実施前に、陣痛発来前の妊婦に三陰交指圧を実施し、妊婦と胎児にもたらす影響の評価、指圧方法の安全性の確認、臨床現場で妊産婦にとって安全安楽に実施可能な指圧方法の開発を目的として、妊婦への指圧実施を行う研究を追加実施する方向で研究計画を修正した。
今年度はこの妊婦への介入試験の研究計画を策定し、倫理委員会に申請を行った。具体的内容としては、介入方法の実施可能性の検討として、鍼灸師の助言や産婦人科医の助言を得て策定した指圧方法を研究代表者が鍼灸師の協力を得て実際に経験し、介入実施により起こりうる問題点等を検討した。また、問題点について鍼灸師から技術的な助言等を得た。 その上で、指圧実施時間や方法を検討し、研究デザインを策定した。さらに、妊婦の安全を確保しながら実施する研究体制の検討を共同研究者とともに行った。また研究実施施設との調整を実施した。
今後、倫理審査承認ののち、この介入試験を実施し、その知見を踏まえて分娩期の産婦への三陰交指圧方法を確定する。この研究実施後、パイロット無作為化比較試験を実施し、その後、無作為化試験の本実施をする見通しである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
先行文献レビューにより、分娩期三陰交指圧刺激の安全性が十分に確認できなかったことや、指圧方法が妊産婦にとって不快であることが分かったため、まずツボ指圧の母体や胎児への安全性の確認や安全で快適な指圧方法の確立のための研究を行うように研究計画を変更する必要があった。種々の調整や研究遂行にも時間を要したこともあるが、研究目的の遂行や、研究の安全な実施のためには必要なことであったと考える。また、新型コロナウイルス感染症により、研究実施予定施設等との調整が遅れていた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、倫理審査承認ののち、この介入試験を実施し、その知見を踏まえて分娩期の産婦への三陰交指圧方法を確定する。この研究実施後、パイロット無作為化比較試験を実施し、その後、無作為化試験の本実施をする見通しである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の変更により、新たな調査実施計画を立案する必要があったことと、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究実施予定施設との調整が遅れ、調査実施に遅れが生じているため。現在、倫理審査申請中であるが、承認を得たのち、調査を実施する予定である。
|