研究課題/領域番号 |
18K17569
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
小代 仁美 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80531136)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小児がん / 初発時 / 入院経過 / 家族 / 付き添い |
研究実績の概要 |
1.研究成果のまとめ 1)文献検討 研究開始時に行った小児がんの子どもの初発時での入院経過における家族の状況に関する文献検討を論文にまとめ、学会誌にて発表した。文献検討は、国内文献に絞った27文献を基に分析した。結果、家族の状況は「診断から初回治療終了時期」「初回治療終了後から退院時期」の病期で状況が異なっていた。入院時の家族は、親の心理的混乱がきょうだいへと波紋が広がっていた。親のPTSR、PTSDの問題もあった。この時期は、特に家族の心理面への援助が必要である。初回治療終了後は、子どもの世話と家事、きょうだいの世話による親の心身の疲労と、退職などによる経済的負担が生じていた。加えて、きょうだいの登園・登校拒否の問題もあった。この時期は、特に親の心理・身体的負担と経済的負担への援助が必要であることが示唆された。 2)調査研究 文献検討の結果を基にした質問紙調査を前年度実施した。その結果をまとめ、日本小児看護学会第30回学術集会にて発表した。小児がんの子どもの入院経過における家族の現状-看護師の視点ーの調査を分析した。その結果から家族への影響は、子どもの病状、治療経過にも左右されると考えるが、子どもの両親やきょうだいまで影響が及んでいると看護師は感じていた。しかし、きょうだいへの影響に関する質問で高い傾向を示す内容が少ないのは「きょうだいまでケアができていない」「きょうだいは親に任せている」より、子どもへの支援に追われてきょうだいへの支援までは十分できないということであろう。今後の課題として、家庭にいる親やきょうだいの影響、子どもの病状変化と家族の影響との関連をさらに追求していく必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究予定としていた調査計画は遂行できた。ある程度の結果は導き出せたと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、質問紙調査の研究成果を論文として報告する。その結果を基に、小児がんの子どもの初発時での入院経過における家族の状況に関する基本的枠組みを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会誌への研究成果報告に向けて、文献複写依頼などで使用する予定である。
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