看護師を対象とした質問紙調査である「小児がんの子どもの入院経過における家族の現状-看護師の視点ー」の調査結果(日本小児看護学会第30回学術集会にて発表)のデータを見直し、投稿の為の論文作成の段階である。 看護師は、小児がん初発の子どもの入院経過における家族の状況として「診断から初回治療終了時期」と「初回治療終了後から退院時期」で、家族への影響が異なることを十分把握されていなかった。しかし、小児がん初発の子どもの「診断から初回治療終了時期」における家族への影響が大きいことは把握していた。特に、両親の心身への影響が大きい、という結果となった。さらに看護師は、きょうだいが受ける影響は、付き添っている親からの情報のみで、主体的に情報把握まで及ばず、きょうだいへの影響は大きいであろうという想像であった。理由として、小児がんの子どもと付き添いの親への支援に追われ、家庭にいる親やきょうだいの状況把握や支援まで十分に出来ないという事であった。小児がんの子どもとその家族への支援として、特に小児がんの子どものきょうだい支援の検討が必要であることが示唆された。 今後は、看護師が小児がん初発の子どものきょうだいを含めた家族が受ける影響は、子どもの入院経過で異なることや、その時間的経過でどのような影響があるのかを把握できるための情報枠組み(情報収集の視点)を明確にし、看護師が視点をもって情報を得、支援を導き出せることが必要と考える。
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