研究課題/領域番号 |
18K17572
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
塩田 昇 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (30573638)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 睡眠障害 / 発達障がい / ADHD / 養育レジリエンス / トリプルP |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ADHD(発達障がい)児の親への子育て支援(ステッピングストーンズトリプルP:以下 トリプルP)介入を行い、唾液中メラトニン分泌の変化と尿中6-スルファトキシメラトニン分泌の変化を測定しメラトニン分泌と代謝の動態と睡眠の関係を調査し、トリプルPの介入によりADHD児の睡眠の状態の変化と睡 眠障害の生理学的な根拠を示すことである。 令和元年度は、1)平成30年に明らかになった課題について、睡眠、子育て支援に関係する学会や研修会に参加および文献検討を進めた。2)研究協力団体の研究協力者に研究概要の説明と研究対象者へのアプローチおよび調整を依頼した。3)研究計画を説明し同意を得た発達障がいをもつ児の親9名の睡眠状態の調査を実施した。4)親への睡眠調査票で得られた研究成果を学会で発表し、子育て支援の専門家と議論し研究課題を明確にした。親の睡眠の状態を学会で報告し議論をした結果、発達障がい児をもつ親と定型児をもつ親の睡眠状態を比較することで睡眠障害の原因を検討することができるという指摘を受け、定型児の親と児にも調査する必要があることが分かった。しかしながら、親への唾液採取の調整と依頼を進めてきたがコロナウイルスによる感染症拡大などの情勢が変化し研究計画の実施が滞った。令和2年度は質問紙票による発達障がい児をもつ親と定型児をもつ親へ、親と児の睡眠状態を調査することを進める予定である。生理学的指標の採取を依頼することは親と児の負担が大きいことが予測されるため、引き続き研究協力団体と慎重に調整を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度はトリプルP介入時に質問紙票の記載を依頼し9名の協力を得ることができた。令和元年度末より唾液採取の調整を進めていたがコロナウイルスの影響により中止となった。コロナウイルスの影響が低くなり次第、発達障がい児と定型児の親への質問紙票による調査を再開したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後にむけて、トリプルP介入と睡眠の状態の調査を実施し対象数を増やす。発達障がい児の親と児以外に定型児の親と児の睡眠の状態についても分析を進める。 唾液メラトニンの採取を進め、親と児の睡眠の状態の変化と生理学的指標の関係を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は発達障がいのある児とその親への睡眠の状況の質問票と児への唾液メラトニンと尿中-6スルファトキシメラトニンを測定する計画である。研究協力団体との調整を進め、親と児の睡眠の状態を調査している。研究協力団体との調整を進めていたが、唾液採取に至る前にコロナウイルスの感染拡大が起こり、研究協力者への協力を得ることが難しくなった。そのため採取に至らなかった。本研究で使用する唾液メラトニンと尿中-6スルファトキシメラトニンの抗体を購入していないため次年度使用額が生じた。次年度は唾液メラトニンの採取を実施し、研究目的を達成できるよう研究を進める。
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